Betterdays Journal
ベターデイズがおすすめしたい世界とプロダクト
All Categories

ヘリテージ・ブランドの不朽の魅力

FASHION

2025.05.15

トレンドが目まぐるしく移り変わる時代にあって、品質、職人技、時代を超えたデザインを優先するブランドには、本質的に安心できるものがある。こうしたヘリテージ・ブランドは、その多くが100年以上の歴史があり、単なる衣服ではなく、生き方を象徴している。ラグジュアリーなアウターウェアから精巧に作られたニットウェアまで、これらのブランドは永続的なスタイルと熟練した職人技に焦点を当てることで、忠実なファンを築いてきた。田舎でも都会でも、これらのブランドはファッションに敏感な人たちのワードローブに、自分たちの居場所を切り開いてきた。 Barbour(バブアー)、JAMES GROSE(ジェームス・グロース)、FOX UMBRELLAS(フォックス・アンブレラ)、JOHN SMEDLEY(ジョンスメドレー)、CORGI (コーギ)などのブランドは、現代的な感覚を取り入れながらも、そのルーツに忠実であり続け、伝統と革新がファッションの世界で調和しながら共存できることを証明している。 Barbour – 英国伝統の真髄 125年以上もの間、Barbourは英国のクラフトマンシップの象徴として、象徴的なワックス・ジャケットと頑丈なアウトドアウェアで知られてきた。1894年にサウス・シールズで創業したBarbourは、当初は英国の漁師やハンターのために作られたが、長い年月を経て、英国のカントリーサイドのシックさと都会的な実用性の両方を象徴するブランドへと成長した。 Barbourのワックスド・コットン・ジャケットは、特にクラシックなBedaleとBeaufortを筆頭に、近年ではTransportなど控えめなエレガンスと耐久性の代名詞となっている。英国王室からケイト・モスのようなスタイル・アイコンまで、あらゆる人々に愛用されるこのブランドは、高品質で耐候性に優れたアウターウェアを生産するという名声を保ち続けている。手作業で蝋引きしたコットンを使い、タータンチェックの裏地を施したBarbourのジャケットは、一生使えるように作られている。 Barbourのルーツはアウトドアだが、機能性と洗練されたスタイルを融合させ、日常のワードローブの定番になりつつある。アレクサ・チャン(Alexa Chung)やエンジニアド・ガーメンツ(Engineered Garments)といったデザイナ

時代を超えて進化する新世代のブライドルレザー:BEORMAが描く未来のクラフトマンシップ

FASHION, LIFESTYLE

2025.05.10

ファストファッションが主流となりがちな現代において、伝統に根ざしながらも新たな解釈と革新を取り入れたブランドが注目を集めている。英国の伝統素材「ブライドルレザー」に新たな息吹を吹き込み、現代的なライフスタイルにマッチした製品を提案する新鋭ブランド「BEORMA(ベオーマ)」は、その象徴的な存在である。 BEORMAとは? 英国伝統のブライドルレザーをモダンに蘇らせる新たな挑戦者 2022年に幕を閉じた某有名ブライドルレザーブランドの熟練の職人達が再び集まって英国バーミンガムで誕生したBEORMAは、英国の伝統的な革素材であるブライドルレザーを現代的な感性で再解釈した、新世代のレザーブランドである。もともと馬具などの頑丈さが求められる用途に使われてきたブライドルレザーは、耐久性と美しい経年変化が特徴だが、BEORMAはその伝統を尊重しつつも、現代の都市生活にフィットするデザインと機能性を追求している。 ブランド名のBEORMAは、バーミンガムの古い地名に由来しており、ブランドのルーツと地域への敬意を示している。すべての製品は英国国内で丁寧に手作業で作られ、伝統的なクラフトマンシップと最新の製造技術を融合させている。 耐久性とエレガンスの融合: BEORMAのプロダクト哲学 BEORMAのプロダクトラインは、財布やカードケース、ベルト、バッグなど日常的に使うアイテムを中心に展開されている。各製品は、熟練した職人によって精巧に作られ、頑丈でありながらも洗練された美しさを兼ね備えている。使い込むほどに艶や色味が深まり、持ち主のライフスタイルや個性を映し出すように設計されているのが特徴だ。 BEORMAのデザインはミニマルでモダンな感性を反映しており、伝統的な素材を使用しながらも、現代の都市生活に自然に溶け込むように考えられている。特に、スマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスを収納できるポケットを備えたバッグや、キャッシュレス社会を意識した薄型のカードケースなど、現代のニーズに応える機能性を積極的に取り入れている。 サステナビリティと透明性への取り組み BEORMAは原材料調達から製造プロセスに至るまで、透明性と持続可能性を重視している。使用するブライドルレザーは厳選された英国産で、環境に配慮した方法でなめされ、染色されている。また、可能な限り廃棄物を減らすために

自然と都市の融合を足元から表現するブランド『Flower MOUNTAIN』の新しい感性

FASHION

2025.04.30

近年、ファッション業界では、単なるデザイン性やトレンドを超えて、ライフスタイルや哲学を表現するブランドが注目を集めている。その中でも特にユニークな存在感を放つのが、新進気鋭のシューズブランド『Flower MOUNTAIN(フラワーマウンテン)』だ。今回は、このブランドが提案する「自然と都市の新しい関係性」というテーマに焦点を当て、その魅力を紐解いていきたい。 Flower MOUNTAINとは?自然をインスピレーションにした新世代スニーカー Flower MOUNTAINは、日本人デザイナー太田圭輔と中国人デザイナー楊超(ヤン・チャオ)によって設立された新しいシューズブランドである。東洋的な自然観と西洋的なモダニズムを融合させたデザインが特徴で、自然から受けるインスピレーションを現代的なデザインに落とし込んだスニーカーを中心に展開している。 ブランド名の通り、Flower MOUNTAINのデザインは「花」や「山」、「川」などの自然の要素をモチーフにしている。豊かな色彩や有機的なパターン、自然界に存在するテクスチャーを巧みに取り入れ、都市生活の中に自然の美しさを取り入れることを目指している。 都市生活に自然を取り入れる、Flower MOUNTAINの哲学 Flower MOUNTAINが提案するのは、都市生活者が自然と共存する新しいライフスタイルだ。現代の都市生活は便利で洗練されている一方で、自然とのつながりが希薄になりがちだ。Flower MOUNTAINのスニーカーは、履く人が無意識のうちに自然を感じられるようなデザインを追求している。 たとえば、ブランドの代表的なモデル『YAMANO(ヤマノ)』は、アウトドアシューズの機能性とファッションスニーカーのスタイリッシュさを兼ね備え、都市と自然の境界を曖昧にする。ソールにはグリップ力が高いアウトソールを採用し、都市の舗装路だけでなく、自然の中のトレイルでも快適に歩ける設計になっている。また、アッパーには植物や花をモチーフとした刺繍やプリントが施され、自然の美しさを都会的なスタイルへと昇華させている。 サステナブルな未来への取り組み Flower MOUNTAINはデザイン性だけでなく、環境への配慮にも力を入れている。ブランドはリサイクル素材や持続可能な天然素材を積極的に採用し、製造過程でも環境負荷を最小限に抑え

igor – キッズの足元を彩るカラフルで機能的なスペインの靴ブランド

No Subcategories

2025.03.01

キッズシューズの世界で、デザイン性、実用性、そして耐久性のすべてを兼ね備えたブランドを探すのは容易ではない。しかし、スペイン発祥のigor(イゴール)は、鮮やかな色彩と卓越した機能性で、雨の日の子どもたちの足元を明るく彩り続けている。1974年に設立された同ブランドは、今や雨の日のキッズファッションに欠かせない存在として世界中で愛されている。 機能性と品質へのこだわり igorは、スペインの靴産業が盛んな地域で誕生し、天候に左右されない子どもたちの遊びをサポートする高品質な靴作りを追求してきた。特に防水性に優れたPVC素材を使用したレインブーツとゼリーサンダルは、雨の日も晴れの日も子どもたちが思い切り外遊びを楽しめるよう設計されている。 すべての製品は厳格な品質管理のもとで生産され、子どもの足をしっかり守りながらも動きやすさを損なわないフレキシブルな設計が特徴だ。環境に配慮した生産方法と、有害物質を含まない素材使用へのこだわりは、子どもの安全と地球環境の両方を大切にする親たちから高い支持を得ている。 カラフルでポップなデザイン哲学 igorが多くのキッズシューズブランドと一線を画すのは、その大胆で鮮やかなカラーパレットにある。クリアな素材に映える虹色のようなカラーバリエーション、キラキラと輝くグリッター入りモデル、そして子どもの想像力を刺激するユニークなパターンの数々。igorの靴は単なる履物ではなく、子どもたちのワードローブに楽しさと冒険心をプラスするファッションアイテムだ。 特に人気の高いレインブーツシリーズは、曇り空の下でも目を引く鮮やかさで雨の日をワクワクする冒険の時間に変える魔法を持っている。また、夏のビーチやプールサイドで活躍するゼリーサンダルは、耐水性と快適さを兼ね備え、安全に水遊びを楽しめるデザインで親子ともに人気を博している。 子どもの足を第一に考えた快適設計 igorが長年支持され続ける秘密は、子どもの足の健康と快適さを最優先にした設計にある。特に成長期の足にとって重要な適切なサポートと柔軟性のバランスを絶妙に取り入れたデザインは、長時間の着用でも疲れにくい履き心地を実現している。 滑りにくいソールは安全性を高め、簡単に着脱できるデザインは小さな子どもの自立心を育むのにも一役買っている。サイズ展開も豊富で、成長の早い子どもたちのニーズに応える配

ナルシスト集団?ユースカルチャー(モッズ編)

No Subcategories

2024.12.22

1963年のロンドン、それまでのファッションとはまったく異なるスタイルを持った若者たちが街に現れた。彼らは瞬間瞬間を刹那的に生き、自分自身のスタイルや服装に並々ならぬ情熱を注いでいた。一方で、思想的にもそれ以前の若者とは明らかに異なり、イギリス特有のダンディズムの系譜を受け継いだポリシーが息づいていたのだ。 これが、後に「モッズ(MODS)」と呼ばれるようになったユースカルチャー(若者文化)である。 モッズの実態 モッズはもともと「モダニスト」と呼ばれていた。このモッズという呼称は、当時のイギリスのマスコミが彼らの先鋭的なファッションに気づき、命名したもので、もともとはモダンジャズから転用された言葉だと言われている。 実際のところ、多くのモッズは仕事においてあまり役に立つ存在ではなかった。その鬱屈を発散するかのように、仕事が終わると一張羅を着込んでクラブで朝まで踊り明かすというのが彼らの典型的なスタイルだった。彼らの派手な言動や服装(当時は黒人やミュージシャン、ゲイの人々しか手を出さなかったようなスタイル)は、その反動とも言えるのだ。初期のモッズ(以下オリジナルモッズ)は音楽にそれほど関心を持っていなかったが、徐々にモダンジャズやR&Bを愛聴するようになっていったのである。 当時のモッズの典型的な一週間について、次のような記録が残っている。 「月曜の晩は『シーン・クラブ』で過ごす。火曜は地元のダンスパーティ。水曜は『ラ・ディスコテック』に繰り出す。木曜は再び『シーン・クラブ』か『マーキーライシアム』へ。金曜は『レディ・ステディ・ゴー』を観てから『シーン・クラブ』か『ラ・ディスコテック』へ。土曜は午前中カーナビー・ストリートでショッピングをして、夜は『フラミンゴ』と『オールナイター・カフェ』で過ごす。日曜の朝はブリックレーンの日曜市で朝食をとり、午後はまた『フラミンゴ』に戻り、夕方はリッチモンドの『クローダディクラブ』へ。深夜にリッチモンド橋のカフェ『ローベルジュ』でカプチーノを飲む。これで一週間が終わるのだ。」 まさにこれは、大量生産されてはあっという間に廃れていく、商業資本主義に操られた大量消費型のハイ・エナジー・ライフスタイルだったのだ。 モッズのスタイル オリジナルモッズは全身をオーダーメイドの衣類(イタリアンルックの三つ釦スーツなど)で固めていた。

|
SCROLL
No posts found.

No Posts Found!

Instagram